情報公開「町のために活動」かで選別、議論起こらず全会一致で可決 奈良県広陵町議会、請求権者を町民以外に広げる条例改正案

奈良県広陵町議会定例会で総務文教委員会の審査結果について報告する河野伊津美委員長(中央)と吉村裕之町長(左後列から3人目)=2026年3月25日、同町役場、浅野善一撮影
奈良県広陵町が情報公開の開示請求権を行使できる人を町民以外にも広げる条例改正案が3月25日の定例会本会議で、全員一致で可決された。拡大の範囲を「町の公益、発展のために活動する個人や法人、団体」に限定していることから、請求者を町のために活動しているかどうかで選別することになるが、付託先の常任委員会、本会議を通してその是非を巡る議論は起こらなかった。
改正案が付託されていた総務文教委員会の3月16日の審査では、請求権者を住民以外にも広げるに当たって範囲を限定したことについて議論はなかった。本会議では河野伊津美委員長による審査結果報告の後、採決が行われたが、その際の討論でも発言する議員はいなかった。
吉村裕之町長は本会議終了後、「奈良の声」の取材に応じた。請求権者の範囲を拡大するに当たって「町のために活動している」と限定した場合、開示請求した行政文書が同一のものであっても、請求者によって、請求権を認めるのか請求を却下するのか、判断が変わることが起こり得るのではないか、不公平な扱いが生じることはないのか聞いた。
吉村町長は「(開示情報で)何をするのか用途に応じて出す出さないを判断すると不公平感が生じる。あくまで町自治基本条例で『町民』と定義している方々に情報公開していくという内容になっている」と説明、請求者によって判断が変わることは「起こらないと思う」としつつも、「そこは(請求文書それぞれの)担当課の判断になる」とも述べた。
その上で「何か貢献してくれる方だから公開して、そうではないから公開しないということではないと考えている。(条例の請求権者を)『何人も』とすることを阻害する目的ではなく、町の実態、規模に応じて緩和した」と述べた。
現条例では開示請求権者の範囲を町民のほか、町内に事務所などがある個人や法人、団体▽在勤者▽在学者▽町の事務事業に利害関係がある個人や法人、団体のいずれかの区分に該当する者に限っている。改正ではこれらの区分に「町の公益、発展のために活動する個人及び法人その他の団体」を追加した。
町自治基本条例は「町民」を「町内に居住する者並びに町内で働く者、学ぶ者、事業を営むもの及び町の公益や発展のために活動するものをいう」とし定義している。
改正された条例は公布の日から施行される。地方自治法により、議長は条例改正の議決があった日から3日以内に町長に議決結果を送付しなければならず、町長は送付を受けた日から20日以内に条例を公布しなければならない。
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