奈良県平群町のメガソーラー開発 高裁判決、県に許可取り消し命じる 逆転勝訴の住民「上告せず安全対策を」と知事に要望書

盛り土が崩落したメガソーラー建設現場=2025年5月25日、奈良県平群町、住民撮影
奈良県平群町内の大規模太陽光発電(メガソーラー)建設計画に反対する地元住民が土砂災害発生の恐れなどを理由に、県を相手取り、民間企業(東京都港区)に対し行った開発許可を取り消すよう求めた控訴審の判決言い渡しが6月18日、大阪高裁であり、長谷部幸弥裁判長は一審の奈良地裁判決を破棄、県に対し許可の取り消しを命じた。
逆転勝訴した原告住民らは19日、奈良県庁を訪れ、山下真知事宛ての「最高裁に上告せず、まず現地の安全対策を進めてほしい」と要望する文書を提出した。
一審の提訴から3年近く。建設計画を巡っては、2021年に民間企業が県に提出した開発申請に誤りが見つかった。計画地の下流河川の勾配が実際は7%程度なのに、それよりはるかに急な勾配の18%と書かれていた。
県の指導に基づき、同企業は安全対策工事をやり直したはずだった。しかし今年4月10日、3度目となる土砂流出が起きた。県の指導基準は、降り始めから10時間の雨量を150ミリと想定した調整池などの設置。これに対し住民側は、行政に採用例がある、より厳しい基準の「厳密計算法」を採用しなければ、「降雨が10時間を超えると、調整池があふれる恐れがある」と主張していた。
高裁判決を受け、原告の須藤啓二さん(平群町議会議員)は「奈良の声」記者に対し「原告側の主張は、全面的に採用された。県が許可した内容が危険であることが判決で指摘された」と述べた。
訴状は22日に県に届く予定で、上告期限は7月6日とみられる。
メガソーラーの開発面積は48ヘクタール(山林伐採面積30ヘクタール)。
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