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第4回「奈良の声」読者会の報告

浅野善一

生活保護費減額違法 大阪高裁、大和郡山市の控訴棄却 一審判決を維持 奈良市は原告の訴え棄却

大阪高裁の判決後、記者や支援者を前に会見する原告側の弁護団=2026年9月15日、大阪市中央公会堂、浅野善一撮影

大阪高裁の判決後、記者や支援者を前に会見する原告側の弁護団=2026年9月15日、大阪市中央公会堂、浅野善一撮影

 物価下落を理由とした2013~15年の国の大幅な生活保護基準引き下げによる全国的な生活扶助費の減額処分を巡り、奈良県の奈良、大和郡山2市の生活保護制度利用者がそれぞれの市を相手取り、同処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決言い渡しが9月15日、大阪高裁であった。川畑正文裁判長は、いずれも奈良地裁の一審判決を維持、大和郡山市については市の請求を棄却、奈良市については原告の請求を棄却した。

 2023年4月の一審判決は、同基準の見直しについて「厚生労働大臣の判断には過誤があり、裁量権の範囲を逸脱、乱用したもので生活保護法の規定に違反して違法」との判断を示した上で、大和郡山市の原告1世帯2人の訴えに対し請求を認め、市に減額処分の取り消しを命じた。一方、奈良市の原告2世帯2人の訴えに対しては請求を棄却した。

 このため、大和郡山市の訴訟では被告の市が控訴し、奈良市の訴訟では原告が控訴していた。

 原告側の弁護団は判決後の会見で、大和郡山市の訴訟については「最高裁判決も出ており、地裁判決が維持されたのは当然の結論かと思う」と述べた。一方、奈良市の訴訟については「上告するかどうか判決文を見て検討する」と述べた。

 弁護団によると、奈良市の訴訟については、生活保護基準引き下げを巡る全国の訴訟では他に例がないものという。

 大和郡山市の原告が審査請求を行ったのは、一連の保護基準引き下げが始まる2013年だった。一方、奈良市の原告が審査請求が行ったのは5年に1度の基準改定が行われた2017年。奈良市の原告は、2017年の改定は2013~15年の基準引き下げの影響を受けており、同様に2013年以前の扶助額に戻すべきと主張してきた。

 これに対し、今回の高裁判決は一審判決を維持し、厚生労働省が基準見直しの主な理由としたデフレ調整は違法だが、その違法性が広く認識されるのようになったのは2025年の最高裁判決のときであり、それ以前に奈良市が行った扶助額の決定は無効ではないとの判断を示したという。

 全国では、同様の訴訟が29地裁で起こされており、このうち大阪、名古屋両高裁の控訴審判決を受けた上告審で最高裁は昨年6月の判決で、生活保護基準引き下げについて違法との判断を示している。

筆者情報

生活保護基準引き下げ巡る訴訟の控訴審判決、大阪高裁9月15日に言い渡し 奈良、大和郡山の利用者が訴え

大阪高裁などがある裁判所庁舎=2026年7月1日、大阪市北区西天満2丁目、浅野善一撮影

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